ストレートに聞いてみる
「 本当の事を話して下さい。
私は市川さんと会って全て話を聞きました」
渡辺さんの顔が
更にフリーズしたのでした。
なんと
渡辺さんはチッと舌打ちをした。
顔がさっきまでの
にこやかだった顔から
一気に不機嫌な顔に豹変した。
こんなに人の表情が
ガラリと変わる瞬間を
初めて見たかもしれない。
渡辺さんは腕を組み、ふてぶてしい態度で
身体を後ろに重心をかけるように座り直した。
人がこういう姿勢をとる時は、
隠したい事やましい事がある時だ。
悪魔の本性
「そっかぁ…笑 」
え、何この人!?
なんで笑ってるの?
この状況で笑えるっておかしくない?
普通はもっと申し訳なさそうな態度すると
思うのだけれども…
「 バレちゃったら仕方ないな笑」
うわぁ…
開き直った。
「 は?
そっちから紹介して欲しいと頼んできたのに、
実は彼女いるってありえないでしょう!!
知人に迷惑かかるとか思わないの?
自分が楽しい思いできればそれでいいの?」
「 勘違いさせちゃってごめんね~笑」
馬鹿にする様に笑いながら言われた。
ありえない…

大人として、
ここは謝罪するべきでしょう。
それが開き直って馬鹿にしてくる神経が
私には到底理解ができなかった。
絶対に関わっちゃいけない人間だ。
良心とモラルを持ち合わせていない人と
これ以上関わりたくないし何も話す事はない。
私が一生懸命何も話しても
この人の胸に響くことは決してないだろうな。
この馬鹿にされた態度に
私は怒りを抑える事が出来なかった。

怒りで震える手で横においたお水を
思いっきり渡辺さんの顔にかけて
睨んで無言でお店を出た。
お客さん、店員さんの視線とコソコソ話が
聞こえてきたが、
もう人の目なんてどうでも良かった。
お店を出た後も
手の震えはしばらく止まらなかった。

こんなクズ男にしてやられた。
本当に悔しい…。
駅まで向かっている道中、
涙が自然に流れてきた。
こんな奴の為に
流す涙なんて勿体ないと思いながら
溢れてくる涙を止める事は出来ませんでした。
ランキングに参加しています
↓応援、共感していただたら
↓クリックしていただけると嬉しいです
最初から読む